風のまえの塵

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カタールとの断交の原因は「宗派対立」でも「テロ支援」でもない!

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サウジアラビアを中心とした国々によるカタールに対する断交が絶賛開催中です。

はい、皆さんこんにちは。いんたらくとです。

 

 

 

サウジアラビア・1st

カタールは現在の国家体制を始める際に自国だけで十分な石油産出があり、アラブ首長国連邦への参加を予定していたのを蹴って「独立国家」としての道をスタートしました。隣国のアラブ首長国連邦はドバイ首長国やアブダビ首長国などから構成されている連邦国家で、経済的に豊かな2首長国が他の地域を支えています。地域全体で見ても、カタールのように本当の意味で単独の国家運営が可能な国は少なく、多くの国は経済的にサウジアラビアに依存しています。

 

そして、今回にカタールとの断交を実施した国は、ある意味でサウジアラビアによって支えれれている国でした。つまり、親分のサウジには逆らえない「チーム・サウジアラビア」の国々が、カタールとの断交を行ったのです。

 

中東産油国のカタールが2005年から凍結していたペルシャ湾の大型天然ガス田の開発を再開する。カタールは1990年代に液化天然ガス(LNG)の輸出を始めて10年あまりで世界最大の生産国に躍り出た。

天然ガスの巨人、カタールが打つ次の一手 編集委員 松尾博文 :日本経済新聞

 

重要なのは、カタールは豊かであり、チーム・サウジアラビアはカタールほど豊かではないということです。

 

カタールの独自路線

さて、周辺国がそのような状況にあるなか、経済的に自立しているカタールは異色の存在でした。ある程度は気を使う必要があるものの「群れる必要」は無いため、独自の施策を打ち出すことができるのです。その独自の施策が、スンニ派のカタールがシーア派のイランとともに湾内の石油開発を行うというものでした。

 

カタールの沖合にある世界最大級のガス田「ノースフィールドガス田」は、イランの「南パルスガス田」と海底でつながっている。カタールはこのほど凍結していたガス田開発の再開すると発表。核合意に伴い経済制裁を解除されたイランも同様に開発の加速をねらっている。地下では一体であるガス田の開発計画は連携が欠かせない。

サウジなどカタールと断交 イランとの関係とがめる? :日本経済新聞

 

サウジアラビアとその周辺国で構成されているチームサウジアラビアは「ペルシアは異端であり脅威だ」という錦の御旗のもと協力体制を敷いてきました。最近の言葉っぽく言えば「アメリカファースト」ならぬ「サウジアラビア・ファースト」という状況でした。独立運営が可能カタールにとっては「チーム・サウジアラビア」の一員になることは、メリットが多くはありません。例えば、イギリスのEU離脱と同じで、受け取る側なら不満はありませんが提供する側にはメリットがデメリットほど多くはないのと同じです。

 

サウジアラビアはトランプ米大統領のリヤド訪問中に米国企業との巨額の商談をまとめた。契約総額は3000億ドル(約33兆円)から4000億ドル近くと推定される。

サウジと米国、トランプ大統領訪問中に巨額の商談-総額4000億ドルか - Bloomberg

 

一応、平和のためにどちらかと言われれば協調路線を取ってきましたが、もともと「チーム・サウジアラビア」とは一歩離れた状態での協調路線でした。チームのしがらみが無いカタール散々悪者扱いしてきたイランが仲良くなって、さらなる利益を得て、影響力が増加すること(しかも、宗派を超えて)がサウジアラビアにとって好ましいとは言えません。

 

あくまでビジネス上の問題

個人的な見解ですが、今回の騒動はもはや宗教&宗派の問題云々ではなく経済的な問題だったのではないかと思います。要するにチームサウジのポジショントークです。「テロ組織を擁護している」ことを理由にしていましたが、その点については今に始まったことでは無いはずなので、理由としては微妙と言わざるを得ません。

 

今回の一件について、ブログ界隈では宗教対立をベースに分析している方が多いようです。とあるブログでも「宗派対立」が原因で「サウジアラビアはイスラム教の重要な巡礼地があるのでカタールよりも優位」という説明をされていた方がいました。確かに、サウジアラビアが宗教地理的に優位であることは否定しません。しかし、それを元に交渉立場が優位であると主張することは無理があると思います。というのも、宗教という枠を超えた経済的な枠が重視される時代において、古来よりビジネスに宗教は関係ない*1という国のあり方を進めてきた中東で、その主張に無理があるということです。

 

源流をたどればシーア派とスンニ派の宗派争いでしたが、今回の騒動はもっと経済的なものです。宗教対立のような何百年もお互いに譲歩不可能な問題とは違い、あくまでも経済的な問題なので近いうちに解決すると予想します。

 

カタール国籍の人々はUAEやバーレーン、サウジから退去するのに2週間の猶予が与えられている。

CNN.co.jp : カタールとの断交は6カ国に ドーハ便停止、スーパーに長蛇の列 - (1/2)

 

外交官は48時間以内に退去という条件はよく目にしますが、民間人の2週間というのは少々長いような気がします。サウジアラビアとしても2週間以内に断交を中止する予定なのかもしれません。ポジショントークというパフォーマンスなら短期で十分だからか・・・。

 

恒久的な解決案

ここはあくまでも個人ブログなので、現実的かどうかは考えずにぶっ飛んだ理想的解決策を提案します。

 

サウジは中東地域が抱える多くの問題でイランと意見が対立。イランの核開発については、シリア、レバノン、イエメンといった周辺国での影響力拡大につながるとして警戒している。

CNN.co.jp : カタールとの断交は6カ国に ドーハ便停止、スーパーに長蛇の列 - (2/2)

 

サウジアラビアもイランと調整をして、積極的に関わっていこう!!

 

相対的な地位低下を防ぐためには、他の国々よりも多くのアクションを起こす必要があると思います。なので、これまで宗派の違いを元に邪険にしてきたイランと積極的に取引を行えば、サウジアラビアの地位が低下することは無いでしょう。プライドが許して、譲歩できるならば、という条件付きですが・・・。

*1:ジズヤ=非イスラム教徒に課せられる人頭税

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